本ページでは、食品以外の商品（縫製品、雑貨等）に関係する法令の概要と、授産施設においてよく製造されている商品で特に注意を要する事柄について紹介しています。商品開発や販売時の参考となれば幸いです。＊2016年6月現在の法令等にもとづき作成しています。

本ページで紹介しているのは法令や商品情報の一部ですので、詳細は消費者庁のホームページ等でご確認ください。

関連法令

家庭用品品質表示法

• 繊維製品（35品目）、合成樹脂加工品（8品目）、電気機械器具（17品目）、雑貨工芸品（30品目）を対象に、品質の適正な表示について定めた法律。
• 洗濯絵表示などが定められている。

家庭用品規制法（有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律）

• 有害物質を含む家庭用品を規制。
• 平成28年4月1日から、特定芳香族アミンを基準値以上使用していないことを「不使用宣言書」や「分析証明書」で確認することが義務付けられた。

景品表示法（不当景品類及び不当表示防止法）

• 「景品類の制限及び禁止」と「不当な表示の禁止」について定めている。
• 「不当な表示」には「優良誤認」と「有利誤認」がある。
• 「優良誤認」とは、商品やサービスの内容が実際よりも優良であると誤認させたり、他社の商品・サービスより優良であると誤認させたりするもの。
• 「有利誤認」とは、商品やサービスの価格が実際よりも有利（安い）と誤認させたり、他社の商品・サービスより有利（安い）と誤認させたりするもの

知的財産基本法

• 特許権や意匠権、商標権、著作権などの知的財産の保護と活用に関する法律。
• 商標権や意匠権などの産業財産権は、特許庁へ登録して初めて権利として認められる。
• 著作権は登録の必要がない。

不正競争防止法

• 虚偽表示や商品の模倣等、市場における公正な競争を阻害する不正行為や不法行為を禁止する法律。

製造物責任法

• 製造物の欠陥により、人の身体や財産に被害が発生した場合の、製造業者等の損害賠償責任について定める。
• 欠陥による被害がその製品自体の損害にとどまった場合は対象外。（民法に基づく責任は発生する。）
• 製造物とは「製造又は加工された動産」であり、サービスや不動産、農産物は対象外。

注意を要する商品の例

アクリルたわし

• 特に品質や安全に関する表示義務はありません。
• 「これだけで完全に油汚れが落ちる」という旨の表示は、景品表示法の優良誤認表示にあたり不当表示とみなされます。

後染めＴシャツ

• 家庭用品品質表示法の規程が適用され、既製品のＴシャツを染めた場合は、染めた事業者が表示の作成取り付けの義務を負う。
• 使用する化学染料については、特定芳香族アミンを基準値以上使用していないことを確認する必要がある。
• 元の製品の生産国が日本以外の場合、縫製国と後染加工広告国を併記する。

エプロン

• 表示について家庭用品品質表示法の適用を受ける。
• 特定芳香族アミンを生じる24種類のアゾ色素について、対象物質を基準値以上使用していないことを「不使用宣言書」や「分析証明書」で確認することが義務付けられている。

かばん

• 特に品質や仕様に関する表示義務はないが、繊維製品である場合は繊維の組成や洗濯等の取り扱い方法等について情報を提供することが望ましい。
• 著名キャラクターのプリント生地は、ライセンス契約に基づいて製造されており、生地を利用したかばんを営利目的で販売することはできない。

デコパージュせっけん

• 洗浄用として使用しない場合は、医薬品医療機器等法（薬事法）等に基づく表示は不要。
• 体や顔を洗うためのせっけんは薬事法で「化粧品」として定義され、規制を受ける。

陶磁器

• 品質や安全、使用等に関する表示義務はない。
• 着色顔料や釉薬には鉛やカドミウムを含むものがあり、焼成温度が低い場合にこれらが溶出する可能性があるため、食品衛生法により規格基準が定められている。